吟詠独歌
アウラフォール

【報告のお手紙】

はーい、ﾎﾞｸから伝えたいことがあるんだ〜！なんか、最近、色んなとこがしっちゃかめっちゃかで、おかしいって話だったよね？それで、ﾎﾞｸは帝国で探し物してみたんだ。そしたら、なんと！新しいｵﾄﾓﾀﾞﾁができたんだ！アウロラﾁｬﾝって言うんだよ。迷子みたい。その子が言うには〜、この世界が絵本の中みたいだって。不思議だね。その後、浅葱ｵﾈ-ｻﾝと、初めましてな確かシャルルｵﾆ-ｻﾝと4人でお話してたら、なんとびっくり、周りの人が消えちゃったんだ！教会にアウロラﾁｬﾝを送り届けたら、なんと！今度はみんな戻ってきたんだ！不思議だね〜、面白いね〜。でもねでもね、教会の人にアウロラﾁｬﾝを預けて、ちょっとだけ寂しい。早く家族に会わせてあげたいな。

あ、そうそう！ｷｬﾌﾟﾃﾝにほーこくほーこくー！浅葱ｵﾈ-ｻﾝからだよ。アウロラﾁｬﾝの“ママ探し”をしてあげてって。ﾎﾞｸもﾄﾓﾀﾞﾁのお願いを叶えたいから、ね、ね、いいよね？ｷｬﾌﾟﾃﾝの大好きな子供で女の子だよ〜。もちろん、探してあげる以外の選択肢はないよねｯ！だめって言われても勝手にやるもーん。

これで報告おわり！つかれた〜。

科学研究社、及び魔導教会へ報告

今回教会の逃走者の保護及び妨害者の排除、また街へ侵入した魔物の排除...が任務となっておりましたが、ズミェイの大森林での調査から情報を得た為報告致します。

ズミェイの大森林調査中、ナガト・ソージ(軍用バックパックを背負った兎モルフのビーストの女性。)と接触しました。

ナガト・ソージのオーバードライブ...と考えられるもの
【コニー・コロニー】やわらかなトランポリン床。また異様な弾性を持っており、踏み抜いた成人男性を悠々と弾き飛ばす程の威力を持つ。

・ナガト・ソージは軍用バックパックぱんぱんに食料を詰め込んでおり、接触した際もパセリを口に含んでいました。食料を対価に情報を聞き出す、といったことが有効だと考えられます。

・ダンジョンの魔物の凶暴化との関係は不明ですが、今回ズミェイの森周辺、及び村のテリトリー付近に兎の晒首が数多く発見されました。原因はナガト・ソージが村の食糧庫の大部分を"拝借"したことだと考えられます。ズミェイの兵士達の警戒網も強まっているように感じられました。

・ナガト・ソージはギムレット船で一晩過ごしたのち、船でも食料半分以上とともに姿を眩ませている為、姿を見掛けた際は食料の損害に備える必要があると思えます。


以下、ナガト・ソージの発言を書き起こしたものです。

『_____僕は世界を”元に戻す方法”を探している……どこの組織にも属していない、色んな場所を転々としているからな、僕は、…僕は…嘗ては組織に属していたが、みんな居なくなってしまった……みんなを取り戻す為に、世界を元に戻したいのだ。』

また、ギムレット船内では次の内容の事も口述していました。

この国が在った場所にはその昔、人間ばかりが住んでいて、いつの間にか亜人と呼ばれる非現実的な世界の住人が現れ、その境界が曖昧に成った事により、世界は多くの偽りに覆われてしまった。それにより、彼女の仲間達や守るべき子供たちはこの世から姿を消してしまい、自分だけが不運にもこの世界に取り残されたとのことだ。元の世界に戻るには、この世界の偽りを取り払う必要があるらしい。ソージはもう何年も、否、何十年も、その方法を探し求めているらしい。

以上

記入者:Aldrik・Hoffmann





ロル内の文章を抜粋する形で情報の記載をいたしました。

【報告書】
筆記者:シリウス
異変解決の為別行動として大森林へと向かい状況の確認などを行いました。結果を先に言ってしまうと原因不明の異変との関係性は薄いと思われます。動物の晒し首などがありましたが、これはズミェイ族が自分達の食料を奪った人物に対し「次会ったらこうしてやる」と訴える為にやった事だと思われます。また食料を奪った人物とも接触、その人物が悪意を持ってズミェイ族から食料を奪ったのではない事も確認出来ました。恐らく放っておけばズミェイ族達も森もいつも通りになるでしょう、しかし気が立っている今は危険ですから近付かないように警告しておくべきかもしれません。直ぐに治まるとは思いますが、ズミェイ族達はバカなので。

追記:華焔の御大将……鈴丸様がズミェイ族をなます切りにしていたんですがあの人強すぎませんか？あんなに強い人が私の生まれ故郷の統治者なんですね……

【何名かに配られた報告書と違い、統治者である貴女に届けられたものだけ、2枚目がある。そこには彼女が遭遇した人物について書かれている】

食料を奪った人物……Sとしましょう、Sはこの世界を元にと言っていました。それからこの世界の昔の話もしてくれました、私はそんな話を聞いた事はありません……でも心当たりはあります、恐らく私よりも……小鴨さんの方が。人ばかりがいて、亜人が現れ境界が曖昧に、そして彼女の大切な人達は姿を消してしまった。元の世界……私たちの世界は偽りなのでしょうか？私には分かりません……もしまた会うことがあれば、少し詳しく話をしてみようと思います。

……この報告書は誰の目にも止まってはいけないでしょう、読み終わり全てを記憶したなら燃やすなりなんなりで処分してください。今はまだ、仲間には知らせるべきではないと思うのです。余計な混乱を招きかねない…私はそう思います。伝えるべき人には、貴女からお願いします、私よりも統治者の方がすんなりと行くでしょうから